タカラジェンヌを呼ぶとき、芸名でなく愛称(ニックネーム)を使うことが多いですよね。
愛称は本人が決めますが、実は自由につけられるというわけではないんです!
タカラジェンヌの呼び方の秘密をお教えします。
タカラジェンヌの3つの名前
タカラジェンヌには3つの名前があります。
・芸名
・愛称
・本名 です。
たとえば、花組の現在のトップスターであれば、
芸名:永久輝せあ
愛称:ひとこ です。
(本名は非公開なので今回はやめておきますね)
芸名はみなさんご存じのとおり、劇団から公表されています。
本名は公表されていませんが、なぜか知っているのがヅカファンです。
からくりとしては、宝塚音楽学校に合格したときや宝塚歌劇団に入団したときに新聞や出身校のHPに掲載されたりします。
また、音楽学校の文化祭のときはまだ本名です。
愛称も「宝塚おとめ」や公式ホームページに載っているのでわかりますよね。
ただし、掲載されていないものもありますし、途中で変わることもあります。
愛称には不文律がある
この「愛称」も実は使うのには不文律があります。
同じ愛称を使ってはいけないというものです。
しかし一律にダメというわけではありません。
同じ時期に、同じ組で使うのがNGなんです。
組が違ったり在団時期が違えば同じ愛称でもOKです。
いくつか例を挙げてご紹介しますね。
「ケイ」さん
元雪組トップスターの音月桂さん。
若手時代は「ケイ」と呼ばれていましたが、専科の萬あきらさん(愛称:ケイ、バンケイ)が出演されるときに愛称がかぶるので「キム」になりました。
「かおり」ちゃん
雪組娘役に「かおり」と呼ばれる晴華みどりさんがいたため、下級生男役の香稜しずるさんは「がおり」と少し違った愛称になりました。
「あり」ちゃん
星組2番手男役の暁千星さんは、元は月組男役でした。
愛称は本名由来の「ARI(あり)」です。
同じ月組に配属された菜々野ありさんは、同じ「あり」とは呼べないので「こあり」ちゃんと呼ばれています。
なお、雪組の愛すみれさんも本名から「あり」と呼ばれることがありますが、組が違うので問題ありません。
「りら」ちゃん
宙組から星組に組替えしてきた華雪りらさんは、異動先の上級生に紫りらさんがいるため「りら」ではなく「こりら」と呼ばれるようになりました。
「ゆめ」ちゃん
花組男役の侑輝大弥さんは、本名由来で「ゆめ」と呼ばれることがあります。
しかし、配属当時、上級生娘役に鞠花ゆめさんがいたため、「だいや」と呼ばれました。
鞠花さんが卒業した現在は「ゆめ」が愛称に入っています。
同じ組の娘役に初音夢さんがいますが、こちらは「ゆうゆ」「おはつ」などが愛称です。
「ゆめ」呼びはされていません。
「あみ」ちゃん
在団時期が同時期でなければ愛称かぶりはもちろんOKです。
雪組の「あみ」ちゃんとして、昔からの宝塚ファンは3人の名前を思い浮かべます。
・愛耀子さん(79期)
・夢華あみさん(96期)
・彩海せらさん(102期)
しかしこの3人は在団時期が重なっていないので、みんな「あみ」ちゃん呼びで大丈夫なのです。
愛称かぶりがNGなワケ
同じ組の中で同じ愛称を使う「愛称かぶり」がNGなのは紛らわしいからです。
たとえば「ケイ」と呼んで、どちらなのかわからないと不便ですよね。
それに下級生を呼んだつもりが上級生の方が反応してしまったら……下級生は申し訳なさで大変なことになるのではないでしょうか。
1つの組で約60人ほどいるし、ただでさえ忙しいのに間違いが起きると謝罪など対処に時間がかかります。
そういった事故や行き違いが起きないように同じ愛称を使わないようにしているのでしょう。