宙組特別公演『Le Grand Escalier －ル・グラン・エスカリエ－』は宝塚大劇場と東京宝塚劇場で上演されます。
通常、公演プログラムは宝塚と東京でそれぞれ別のものが発刊されます。
しかし宙組の『Le Grand Escalier －ル・グラン・エスカリエ－』は同じものです。
特殊な状況下で作られたこのプログラム、いつものプログラムとはどう違うのでしょうか。
『Le Grand Escalier －ル・グラン・エスカリエ－』について
まずは宙組公演『Le Grand Escalier －ル・グラン・エスカリエ－』についてまとめました。
主演／芹香斗亜、春乃さくら
作・演出／齋藤 吉正
公演日程／
宝塚大劇場…2024年6月20日（木） ～6月30日（日）
東京宝塚劇場…2024年7月20日（土） ～8月25日（日）
公演時間／80分
座席料金／SS席 6,500円 / S席 5,000円 / A席 3,500円 / B席 2,500円（宝塚・東京とも）
公演概要／わが国初となるレビュー『吾が巴里よ＜モン・パリ＞』が、欧米視察を経た岸田辰彌の帰朝作品として1927年に上演されて以降、様々なレビュー作品を生み出してきた宝塚歌劇。その110年の節目の年に、積み重ねてきた歴史と、携わってきた先人たちへのオマージュを込めた華麗なるレビュー作品をお届け致します。
魅惑のパリに踊る紳士淑女達、グラナダの闘牛場に立つ勇敢なマタドール、ニューヨークの摩天楼を夢見るダウンタウンの青年達・・・。そして彼らが追い求める夢の先には眩い光彩が照らし出す荘厳な大階段（Le Grand Escalier）が！胸躍る美しい宝塚歌劇の名曲と共にお届けするドリーミングステージ。
（宝塚歌劇公式HPより）
今回はショーのみ
宝塚大劇場の公演は、通常は芝居とショーの2本立て、あるいは1本物の芝居で行われます。
上演時間は3時間～3時間5分。
今回はショーのみの上演で、約80分のショーだけです。
元は『FFX』予定だった
2024年5月17日（金）からの宙組公演は、元は芝居とショーの2本立ての予定でした。
宝塚歌劇百十周年紀念奉舞『宝塚110年の恋のうた』とミュージカル『FINAL FANTASY XVI（ファイナルファンタジー16）』が決定していました。
しかし、『FFX』が中止となり、また初日も6月20日からと約1ヶ月遅らせて『Le Grand Escalier』を上演しています。
通常のプログラムとの違い
いつもの大劇場公演のプログラムとの違いをまとめました。
参考にしたのは月組の公演プログラムです。
| 宙組 | 月組 | 月組 | |
| 大劇場／東京 | 大劇場 | 東京 | |
| Le Grand Escalier | Eternal Voice／Grande TAKARAZUKA 110! | Eternal Voice／Grande TAKARAZUKA 110! | |
| 理事長挨拶 | ○ | ○ | ○ |
| スタッフ紹介 | ○ | ○ | ○ |
| 演出家コメント | × | ○ | ○ |
| 大判スチール | ○ | ○ | ○ |
| ストーリー | × | ○ | ○ |
| 歌詞 | ○ | ○ | ○ |
| メインキャスト | × | ○ | ○ |
| 香盤（配役） | ○ | ○ | ○ |
| 出演者写真 | ○ | ○ | ○ |
| 初舞台生紹介 | × | ○ | ○ |
| スターコメント | × | ○ | × |
| スター紹介 | ○ | × | ○ |
| 公演アンケート | × | ○ | × |
| スペシャルポートレート | × | ○ | ○ |
| ステージフォト | × | × | ○ |
| 公演スケジュール | ○ | ○ | ○ |
| 座席表 | ○ | ○ | ○ |
月組の公演はトップコンビ（月城かなとさん、海乃美月さん）の退団公演だったのでスペシャルポートレートが入っています。
その代わりかわかりませんが、通常の宝塚プログラムでは入っている稽古場写真がありません。
また、大劇場公演のときは110期生の初舞台公演だったので、初舞台生紹介が入っています。
宙組『Le Grand Escalier』プログラムにないもの
宙組特別公演『Le Grand Escalier －ル・グラン・エスカリエ－』では、通常のプログラムにあるものがありませんでした。
・演出家コメント
・スターコメント
・稽古場写真もしくはステージフォト
ストーリー、メインキャスト紹介がないのは芝居がなかったからでしょう。
あるはずのものが「ない」理由
なぜいつもあるものが「ない」のか、理由は不明です。
しかし、演出の齋藤吉正先生が宝塚歌劇団を退団されたという噂もあります。
演出家は退団しても公式発表されません。
斎藤先生が本当に退団したかは不明ですが、もし本当に退団したのなら演出家のコメントがないことと関係あるのかもしれませんね。
宝塚スカイステージのお稽古風景は、タカラジェンヌはマスク姿でした。
稽古場風景でマスク姿の写真は避けようとしたのかもしれません。
外部広告もなし
宝塚のプログラムには、スポンサーである外部企業の広告が載ります。
キリンビール、コカコーラ、池田泉州銀行、ヒガシマル醤油、日経新聞などです。
これらの広告は、月組公演のプログラムには掲載されています。
しかし宙組公演の『Le Grand Escalier －ル・グラン・エスカリエ－』のプログラムには外部企業の広告は一切入っていません。
あるのは、宝塚クリエイティブアーツ、宝塚友の会だけです。
トップ娘役の春乃さくらさんがイメージガールを務める池田泉州銀行の広告さえありません。
まだまだ世間の目は厳しい～紛糾した株主総会～
宙組娘役が亡くなった事件について、遺族と劇団側での話し合いは終わりました。
しかし、世間の目はまだ厳しいです。
また、宝塚歌劇団及び阪急阪神ホールディングスの労働環境改善状況も進んでいますが、一般の人たちが納得できる状況とはいいがたいです。
2024年6月14日に行われた株主総会でも、株主から批判や意見、不満が噴出しています。
阪急阪神HD総会､角和夫会長の選任賛成57％ 俳優死亡で批判 – 日本経済新聞 (nikkei.com)
阪急阪神HD総会、宝塚歌劇団の俳優死亡巡り紛糾 株主｢利益を侵害｣ – 日本経済新聞 (nikkei.com)
総会では株主から「ハラスメントの認識が観客や世間とずれている」「経営に女性の視点がない」という意見のほか、「5000円以上あった株価が4100円台まで下落し、株主利益を侵害している」「歌劇団が本拠地を置く宝塚市のイメージダウンにつながる」という批判も上がった。
日本経済新聞
阪急阪神ＨＤ株主総会で角和夫会長 宝塚問題受け謝罪｜NHK 関西のニュース
出席した株主からは「会社のハラスメントへの認識が世間の認識と違っていたことが一因だ」とか、「今回の問題を契機にガバナンスの構築や経営改革を進めているということだが、改革を進めるためにも経営トップの角会長は退任すべきだ」といった厳しい意見が相次ぎました。
NHK
宙組公演のスポンサーをすることに、企業側には大きなリスクがあります。
9ヶ月公演中止していた宙組の再開公演のため、世間の興味を引くかっこうのネタでもありました。
そのため、今回は外部の広告もなかったということではないでしょうか。
