宝塚歌劇団の男役スターには序列があります。
将来のトップスターを占ったり、現在の劇団での扱いを知る上で欠かせないのが阪急から公式で出る宝塚のカレンダーと、宝塚歌劇団の機関誌である『歌劇』と『宝塚GRAPH』です。
宝塚のカレンダーは何種類もありますが、どのカレンダーに載っているかでどの男役が現在の「劇団推し」なのかがわかります。
宝塚のカレンダーと雑誌掲載された男役一覧
まずは2023年末に発売された宝塚公式のカレンダーと、『歌劇』2024年1月号、『宝塚GRAPH』2024年1月号に出た男役を一覧表にしました。
スターカレンダー | パーソナルカレンダー | ステージカレンダー | ポスターカレンダー | 卓上カレンダー | 歌劇 | 宝塚GRAPH | 備考 | |
花組 | 柚香 | 柚香 | 柚香 | 柚香 | 柚香 | 退団予定 | ||
永久輝 | 永久輝 | 永久輝 | 永久輝 | 永久輝 | ||||
聖乃 | 聖乃 | 聖乃 | 聖乃 | |||||
綺城 | 綺城 | |||||||
帆純 | 帆純 | 退団予定 | ||||||
一之瀬 | 一之瀬 | |||||||
侑輝 | ||||||||
希波 | ||||||||
月組 | 月城 | 月城 | 月城 | 月城 | 月城 | 退団予定 | ||
鳳月 | 鳳月 | 鳳月 | 鳳月 | 鳳月 | ||||
風間 | 風間 | 風間 | 風間 | |||||
夢奈 | ||||||||
英 | ||||||||
礼華 | 礼華 | 礼華 | ||||||
彩海 | 彩海 | |||||||
雪組 | 彩風 | 彩風 | 彩風 | 彩風 | 彩風 | 退団予定 | ||
朝美 | 朝美 | 朝美 | 朝美 | 朝美 | ||||
和希 | 和希 | 和希 | 和希 | 退団予定 | ||||
諏訪 | 諏訪 | |||||||
縣 | 縣 | 縣 | 縣 | |||||
咲城 | ||||||||
星組 | 礼 | 礼 | 礼 | 礼 | 礼 | |||
暁 | 暁 | 暁 | 暁 | 暁 | ||||
極美 | 極美 | 極美 | 極美 | |||||
天華 | 天華 | 退団予定 | ||||||
碧海 | ||||||||
天飛 | 天飛 | |||||||
宙組 | 芹香 | 芹香 | 芹香 | 芹香 | 芹香 | |||
桜木 | 桜木 | 桜木 | 桜木 | 桜木 | ||||
瑠風 | 瑠風 | 瑠風 | 瑠風 | |||||
鷹翔 | 鷹翔 | 鷹翔 | 鷹翔 | |||||
風色 | 風色 | |||||||
亜音 | ||||||||
専科 | 凪七 | 凪七 | 凪七 | 凪七 | 凪七 | |||
水美 | 水美 | 水美 | 水美 | 水美 | ||||
瀬央 | 瀬央 | 瀬央 | 瀬央 | 瀬央 |
花組路線男役
ではまず最初に花組の路線男役を見ていきましょう。
現在の花組トップスターは柚香光さんです。
2024年5月26日の『アルカンシェル』東京千秋楽で退団が決定しています。
2番手は97期の永久輝せあさん。
VISAがついていることもあり、花組の次期トップスターは間違いないでしょう。
相手役は未定ですが、花組の星空美咲さん(105期)が最有力視されています。
3番手は100期の聖乃あすかさんです。
ほかカレンダーや雑誌のメンバーに選ばれたのは、
97期の綺城ひか理さん
99期の帆純まひろさん
100期の一之瀬航季さん
102期の侑輝大弥さん
103期の希波らいとさんです。
劇団としては103期の希波らいとさんを上げたいと思っている様子がうかがえます。
しかしあまり急に上げると上級生たちのファンが反発しかねないので様子を見ながらになるでしょう。
99期の帆純まひろさんは柚香光さんとの同時退団が発表されています。
月組路線男役
現在のトップスターは95期の月城かなとさんです。
2024年7月7日の『Eternal Voice 消え残る想い』東京千秋楽で退団が決まっています。
2番手は鳳月杏さん。92期生で月城かなとさんより上級生です。
トップスターになる条件のひとつ・新人公演主演したともしていないとも言えない状況ですが、鳳月さんのトップ就任を望む声も大きいです。
3番手は100期の風間柚乃さんです。
ステージカレンダーに掲載された礼華はるさん(101期)が4番手と思って間違いないでしょう。
ほかには、
96期の夢奈瑠音さん
99期の英かおとさん
102期の彩海せらさんがいます。
夢奈瑠音さんはA2Careがスポンサーについています。
彩海せらさんは月城さんと同じく雪組から組替えしてきました。
雪組路線男役
雪組トップスターは彩風咲奈さん(93期)です。
彩風さんも『ベルサイユのばら』-フェルゼン編-の千秋楽・2024年10月13日に卒業が決まっています。
現在の2番手男役は95期の朝美絢さんです。
現在のトップ娘役・夢白あやさんといっしょに全国ツアーを回ることもあり、次期トップコンビになるのではないでしょうか。
3番手は96期の和希そらさん。
残念ながら『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』での卒業が決定しています。
4番手は101期の縣千さんです。
ほかには
99期の諏訪さきさん
102期の咲城けいさんがカレンダーや雑誌に掲載されました。
咲城さんは星組から組替えしています。
星組路線男役
現在の星組トップスターは礼真琴さんです。
95期生で花組の柚香光さん、月組の月城かなとさんと同期です。
2番手男役は月組から異動してきた暁千星さん(98期)。
前宙組トップスターの真風涼帆さんから引き継ぐ形で岩谷産業がスポンサーにつきました。
礼真琴さんが退団したあとに星組トップスターに就任するでしょう。
3番手は100期の極美慎さんです。
ほかには
98期の天華えまさん
101期の碧海さりおさん
102期の天飛華音さんがいます。
天華えまさんは現在公演中の『RRR』で卒業します。
宙組路線男役
現在の宙組トップスターは93期の芹香斗亜さんです。
父が元阪急の野球選手、母が元タカラジェンヌという宝塚に縁の深い生まれで、阪急トラピックスのイメージガールでもあります。
2番手は桜木みなとさん、95期生です。
3番手は瑠風輝さん(98期)です。
続く4番手は101期の鷹翔千空さんと見ていいでしょう。
ほか、
102期の風色日向さん
103期の亜音有星さんがカレンダーや雑誌に掲載されました。
宙組は昨年10月から公演がストップしており、組内が落ち着かない状況とのうわさもあります。
もしかしたら、全組にわたる組替えなどもあるのではと言われています。
専科生
専科は本来スペシャリストという位置づけなので、トップになるかどうかはわかりません。
しかし、主演の可能性のある路線男役に近い扱いを受けているのが次の3人です。
89期の凪七瑠海さん
95期の水美舞斗さん
95期の瀬央ゆりあさん
凪七瑠海さんは宙組、月組を経て専科入りしました。
全国ツアーの主演やバウホール公演の主演もし、その一方で2番手や少し脇に寄った役も演じています。
3人の中で一番トップスターに近いポジションにいるのは水美舞斗さんでしょう。
2023年には博多座で星組公演『ミーアンドマイガール』の主演を務めました。
(暁千星さんとの役替わり)
元は花組生です。
瀬央ゆりあさんは星組出身の男役で、礼真琴さんとの同期コンビの仲の良さが有名でした。
「宝塚卓上カレンダー」は4番手以下の若手・中堅と、新公主演経験はあるものの別格寄りの活躍をしている上級生が中心です。
組を超えての複数人でのショットが見ものです。
カレンダーの見方
宝塚のカレンダーは以下の7種類があります。
- 「宝塚スターカレンダー」
- 「宝塚スター卓上カレンダー」
- 「宝塚卓上カレンダー」
- 「宝塚ステージカレンダー」
- 「宝塚パーソナルカレンダー」
- 「宝塚パーソナル卓上カレンダー」
- 「宝塚ポスターカレンダー」
時代によってカレンダーの意味合いは変わりますが、2024年版であれば次のように考えて間違いないと思います!
「宝塚スターカレンダー」はトップと2番手
「宝塚スターカレンダー」は、男役トップスターと2番手男役が掲載されます。
卓上版に縮小された「宝塚スター卓上カレンダー」は中身が同じです。
「宝塚パーソナルカレンダー」もトップと2番手
「宝塚パーソナルカレンダー」も男役トップスターと2番手男役だけの掲載です。
卓上版に縮小された「宝塚パーソナル卓上カレンダー」は男役トップスターだけの発売で、枚数が多くなっています。
「宝塚ステージカレンダー」はトップから4番手格まで
「宝塚ステージカレンダー」は男役トップスターからだいたい4番手格の男役までが掲載されています。
ほかのカレンダーはオフショット(舞台メイクではない普段着の衣装)で撮影されているのに対し、ステージカレンダーだけは前年の舞台写真が使われています。
「宝塚ポスターカレンダー」は3番手格
「宝塚ポスターカレンダー」は1年間をとおして1枚だけのポスター形式のカレンダーです。
現在は3番手格の男役だけが販売されています。
「宝塚卓上カレンダー」は別格と若手が中心
『歌劇』1月号は掲載順が大事
『歌劇』1月号では路線男役の振袖・袴姿や、ドレッシーなスーツ姿などが目を楽しませてくれます。
まずは各組トップスター、その次に2番手男役、そして3番手男役……という順番で掲載されます。
番手がはっきりしない男役のファンにとっては、どの位置にジェンヌさんが載っているかが気になるもの。
2024年1月号の場合は、男役トップ、2番手男役のあとに専科の水美舞斗さん(95期)、凪七瑠海さん(89期)、瀬央ゆりあさん(95期)が掲載され、そのあとに各組3番手以下の男役が出ています。
専科では表向き「番手」はありませんが、専科のスターとしてのこれからの活躍度合いが図られます。