宝塚音楽学校の入試倍率を調査、増減の原因を考えてみた

音楽学校
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今日、112期生の合格発表がありました。
受験者数は480名、合格者数は40名、入試倍率は12倍で「東の東大、西の宝塚」と言われるだけあります。
しかし、昔はもっと受験者数が多かったのです。

宝塚音楽学校の入試倍率一覧

2000年以降の宝塚音楽学校の受験者数、合格者数、入試倍率などを調べてみました。
男役トップ、娘役トップはすでに内定している人も含めてあります。

受験者数合格者数倍率男役トップ娘役トップ受験年度の出来事
20008810665020.1紅ゆずる/朝夏まなと桜乃彩音
2001899735019.5明日海りお/望海風斗夢咲ねね
2002909885019.76蒼乃夕妃/愛原実花
20039110205020.4愛加あゆ/野々すみ花
20049210665021.32鳳月杏/真風涼帆蘭乃はな
2005939845019.68彩風咲奈/芹香斗亜
2006949634720.48珠城りょう仙名彩世
2007958634519.18柚香光/月城かなと/礼真琴愛希れいか/妃海風/実咲凜音
2008968544021.38花乃まりあ/咲妃みゆ/朝月希和/綺咲愛里
20099711064027.75永久輝せあ海乃美月三次試制導入、一次は面接のみ
20109810284025.7真彩希帆音楽学校裁判
2011999404023.5美園さくら東日本大震災
20121009244023.1華優希/星風まどか
20131018814022天紫珠李
201410210654026.7舞空瞳/潤花/春乃さくら宝塚歌劇100周年
201510310634026.6夢白あや
201610410794026.9星空美咲
201710510424026.1
20181069654024.1
20191079154022.9
20201088524021.3新型コロナウイルス禍
20211096974017.4
20221106924017.3
20231116124015.3ハラスメント報道
20241124804012現役劇団員死亡事件

93期までは毎年50人採用していました。
94期に47名、95期に45名に減らし、96期以降は40名を合格させています。

92期生のころは1000人前後の受験者数がいましたが、少子化のためか徐々に受験者数も減っています。
人気スターの多い95期生の受験者数は800人台です。

97期の宝塚音楽学校の入学試験制度改革

宝塚音楽学校は97期生の受験の年に入試制度改革をしています。

それまでは一次試験と二次試験で選抜していました。
しかし97期生のときから面接重視に切り替え、第一次試験は面接のみ、第二次試験と第三次試験で実技を見る方式に変わりました。
受験時の完成度ではなく、素質と将来性を重視し、スターの原石発掘を目指してとのことだそうです。

面接重視でワンチャン狙いの人が多かったのか、97期生の受験者数は1106人と大幅に増加しました。

しかし、40名の合格者のうち入団したのは34名。音楽学校内で留年した人もいたようです。
また、入団しても短期間で退団する人も多かったのが97期生です。

どれほどスター性があっても宝塚の舞台に立つ実力がないと続かないため、98期生の受験以降は実力重視に戻したと噂されています。

音楽学校裁判の影響

2010年ごろ、宝塚音楽学校96期生の退学をめぐって裁判が行われました。
いじめ裁判とも言われた事件は、書籍になるなどして宝塚ファンの注目の的となりました。

98期生の受験者数が97期生に比べて80名ほど減っているのは、裁判事件の影響かもしれません。

99期受験は東日本大震災と重なった

2011年3月11日、東日本大震災が起こりました。
99期生の受験間近に発生した地震により、受験を断念した人も少なくなかったようです。

100周年フィーバー

102期生が受験した2014年はちょうど宝塚歌劇100周年の年でした。
宝塚歌劇団も多くの広告を打ち出すなどして世間にアピール。
宝塚の知名度をアップさせました。

知名度アップにともなって、宝塚はチケット難に。
音楽学校の受験者数も1000人を超えるまで回復しました。

新型コロナウイルス禍が始まった108期受験

世界的なパンデミック・新型コロナウイルス禍が起きた2019年末。
人に会えない、集まれない、受験スクールにも通えないという状況で、108期生の2020年3月受験にも影響しました。

106期生受験のころから徐々に受験者数は減っていたものの、コロナ禍以降さらに受験者数の減少は続いていきます。

ハラスメント報道と現役生死亡事件

2022年末ごろから、宝塚歌劇のハラスメント報道が週刊文春に掲載されるようになりました。
ハラスメントをしたとされる人物は演出家、劇団員のどちらも名前が挙がりました。

「清く正しく美しく」のスローガンは建前にすぎないと思われる報道にショックを受けた人も少なくありません。

そして2023年秋には、ハラスメントが原因と言われる現役劇団生の死亡が報じられました。

111期生と112期生の受験者数減少は、これらの報道の影響によるものと考えるのが自然です。

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