「すみれコード」は宝塚の不文律。ファンの夢を守るために。

宝塚いろいろ
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タカラジェンヌがファンの夢を守るためにある「すみれコード」。
宝塚歌劇団のサイトでは明言されていませんが、タカラジェンヌである以上守らなければいけない決まりとして存在しています。

実際にどのようなものがあるのか調べてみました。

本名や実年齢を明かさない

タカラジェンヌになると劇団員は芸名や愛称で呼ばれ、本名は公開されません。
また、学年や入団した期は公表されますが、実際に何歳なのかは秘密にされています。

本名や年齢が非公開なのは、舞台人であるタカラジェンヌは「中の人」ではなく「芸名」で存在しているからだと思います。
芸の道に進んだからには、実際には年下でも先にその道に入った先輩を上級生として敬い立てるべきという芸事としての厳しさもあるでしょう。

ただし、実際にはファンは本名や実年齢を知っています。
宝塚では芸名を本名そのままにすることはできませんが、名字だけ使ったり、名前から芸名をつける人も多いです。相性が本名そのままということも珍しくありません。
宝塚音楽学校に合格したときに本名や年齢が新聞に出ることもあります。
「宝塚音楽学校文化祭」のプログラムには顔写真と本名がいっしょに出ています。

そのため、本名や年齢がスミレコードといっても、公然の秘密のようなものです。

食事シーンはNG

タカラジェンヌの主食は霞……と言われますが、実際はお米やお肉などが大好きです。
インタビューで好きな料理を答えることもありますし、『宝塚おとめ』にも好きな食べ物が載っています。

しかし、テレビ番組などでものを食べたり飲んだりするシーンの放映はNGでした。

ただしこれも時代により変化していて、近年はお水やお茶などの飲み物を飲むところも放送されています。
そのうち、ケーキなどの可愛いものだけでなく、バーベキューなどを楽しむところもOKになるかもしれませんね。

給料は秘密

舞台を仕事にするタカラジェンヌが毎月いくらお金を受け取っているかも秘密です。
夢の裏側の、生々しい話になってしまいますからね……。

研究科5年目までは阪急の社員なので、社員としての月給をもらっているはずです。
研究科6年目以降は建前上はフリーになるので、劇団が提示した金額になります。
なお、研究科5年目を終えるときに社員ではなくなるため、いったん退職金を受け取るのだそうですよ。

最近、ニュース番組でタカラジェンヌの月給がリークされました。
若いタカラジェンヌの月給は10万円台のようで決して多くはありません。
日本で舞台だけで生活している俳優は少なく、彼らに比べるとタカラジェンヌは恵まれていると言われます。

それでもアルバイトや副業もできず、メイク用品やカツラ代、通勤のときにはタカラジェンヌらしい服装をと考えると、劇団からのお給料だけで生活するのは大変そうです。

恋愛事情も秘密にされている

きれいな女性がたくさんいるタカラジェンヌに恋人がいてもおかしくありません。
寿退団(結婚を機会に宝塚歌劇団を卒業すること)もありますし、おつきあいしている人も多いのでしょう。
しかし、ファンには公にはしないのが暗黙の了解となっています。

特に男役の場合は舞台でのかっこいい男役姿を売りにしているだけに、恋人の存在がわかるとなんとも言えない気持ちになってしまうファンがいるからでしょう。

そんなファン心理を知っていた彩吹真央さんは、現役時代は兄弟であっても決していっしょには歩かないようにしていたそうです。

しかし、恋愛自体が禁止されているわけではありません。

最近は少なくなりましたが、昔は退団公演の千秋楽で客席にいる婚約者が紹介されることもあったようですよ。

舞台上でもスミレコードはある

ここまでお話ししてきたのは、舞台以外のオフでのスミレコードです。
舞台の上でも「品のないもの」「宝塚らしくないもの」は上演しないように、という決まりがあるようです。

舞台上でも性的なシーンはあまり具体的でないものになります。

『激情』などの公演では男女が身体を重ねて愛しあうシーンがありますが、たいていはダンスシーンでそれらしい振付を踊って匂わせます。
男役といっても女声なので、ベッドシーンで実際に脱ぐわけにはいきませんしね。
2人で抱き合いながら踊ったり、床の上を転がったりします。

明日海りおさん主演の花組公演『金色の砂漠』では主人公とヒロインの腰を重ねるダンスがかなりきわどいと話題になりました。

真風涼帆さん主演の宙組のショー『デリシュー』のあるシーンは公演中に振付が変更になりました。
四つん這いで腰を上げたヒロインの横で鞭を振るうトップスターの図は、あまりに品がないという声が出たようです。

望海風斗さん主演の雪組公演『ドン・ジュアン』では、幼いころのドン・ジュアンの幼少期の性格が途中で変わっています。
先に行われたKAAT神奈川芸術劇場公演ではドン・ジュアンが母と性的関係にあって母がそれを苦にして自ら亡くなるという演出でした。
のちに行われたシアター・ドラマシティ公演では、母との性的関係はない演出に変わっています。

『エリザベート』は宝塚版と東宝版では演出が違います。
東宝版ではエリザベートは夫・フランツからうつされた性病によって倒れます。
しかし宝塚版ではダイエットのしすぎのためとなっています。

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